神戸ではたらく中年エンジニアのブログ

震災後に神戸で働きだしたジジイです。DBシステム、プログラムに機械装置、なんでも作ります。

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「竜二」生江有二

生まれてきたからには、何かをするために生まれてきたのだと思いたい。何かを残して、何かをひとに伝えて、そして死んでいきたいと思うのです。たまあに、そういう人の話を聞きます。最近では、北海道国際航空の社長、濱田輝男。事業を立ち上げて、それがい…

「慟哭」貫井徳郎

人呼んで「ミステリ界のストーカー」(ほんまかいな)高村薫が、この作品を、 題は『慟哭』 書き振りは《練達》 読み終えてみれば《仰天》 と評しております。 「逃げない」という姿勢で書かれた作品に接したとき、その作品の評価うんぬんということの他に、…

「神は銃弾」ボストン・テラン

たまに、ハードボイルド・ミステリーてやつに、浸りたくなるときがあります。で、本屋さんをざあっと見渡して、いくつか拾ってくるわけです。平積みになっていると、やはり目に付きますし、「ベストミステリー1位!」とか「CWA新人賞授賞」とか帯にある…

「破線のマリス」野沢尚

「マリス」とは、ジャーナリズムの専門用語で「悪意」という意味だそうです。報道する側が記事をつくるうえで、これを盛り込むと、報道される側にとても不利になるということですね。 主人公の瑤子は34歳のテレビ局編集マン。家庭も子供も投げ捨てて、仕事…

「ゴールドラッシュ」柳美里

「ゴールドラッシュ」て聞くと、やっぱり矢沢のえいちゃんだよね。 まあ、そんなことは、おいといて。 例の神戸の少年殺人があってから、犯罪だけでなく、現代の少年たちの抱える問題、不安な世界観、大人たちの無力さ、教育の矛盾が、一気に社会に認知され…

「白夜行」東野圭吾

いままで宮部みゆきの作品にみてきたように、ワープロを使うと、作品はつまらなくなっちゃうのでしょうか。 確かに、万年筆なんかを使って原稿用紙にがりがり書いているのと、ワープロでコピーを駆使して貼り付けていくのとでは、なんとなく作品の執念が違う…

「歳月」司馬遼太郎

幕末、明治維新を経て、明治の新政府が誕生するその時代、多くの才能ある人間が活躍しました。 江藤新平は法律の土台を作った人で、刑法はドイツ、民法はフランスを手本に、日本の法律はできていったわけですね。 「維新」が起こって、旧体制が崩れていく。…